ドラマ「ジモトに帰れないワケあり男子の14の事情」

関西ジャニーズJr.が主演の、夢を追う男の子たちのオムニバスドラマです。

ジャニーズ出すためのドラマだと思って正直なめてたんだけどこれストーリーがめっちゃ良いんですよ!!!!ちょっと思わず泣いちゃうくらい良かった!!!わたしは夢がテーマの話に弱いのかもしれない。
オタク的には、夢を追いかけている最中の、悩んで迷ったり挫折しそうになったりする男の子をジャニーズJr.が演じてるのが結構ぐっとくる。デビューを掴みたいと願うジャニーズJr.自身のストーリーとこのドラマの展開がシンクロして、視聴者が感情移入しやすい作りになっていると思う。これがほんと良い。この作品を見てるのって推しの夢が叶うことを願ってやまないオタクばっかりだから入り込みやすいのよ。話を作るのが上手いな……。
脚本の村上さんは我らが「美男高校地球防衛部LOVE!活劇!」を担当した方だったのでそりゃ好きだな〜って感じ。

夢を追いかけて上京して、でもうまくいくばかりではなくて、彼らのひとりひとりに悩みがある。ちょっとした、でも彼ら自身にとってはすごく重要な悩み。それらが周りにいる人々との関わりを通して少しだけ前に進むドラマ。まだ夢の途中であることに変わりはないけれど、それでも明日を信じてがんばっていく男の子たちの姿をたくさん見られる、元気の出る作品です。

前半を見て、Episode4「いえないふたり」、Episode7「ぼくたちの未来」が特に好きだった。

「いえないふたり」は、「言えないふたり」であり「家ないふたり」。自分の本当の思いを家族に言えていないふたり。このベタな話がだーい好き。同じ悩みを持った相手と出会って、相手を救うことが自分自身を救ってくれて、一緒にがんばっていける話。美しいよね。あとやっぱ大ちゃんが超かわいくて好き。西畑大吾さん……ほんとかわいいねえ〜〜。
「ぼくたちの未来」は、忘れかけてしまった夢を諦めようとしたとき、最初に夢を見たきっかけになった原体験を思い出して、もう一度その夢を取り戻すっていうほんとストレートな……そんなん好きに決まってるじゃんっていうストーリーがね、いいよね……。そしてにしたくがかわいい。

「ラッキームーン」は第一話が前編、最終話が後編。この話だけは前編がビターな終わり方をしたままになっているので、最終話でどうなるか楽しみ。家族のために夢を諦めて実家に戻らざるを得なくなったタカシ、自分が作っていない作品で評価されてしまったマキト。これを一話に持ってきて道中匂わせつつラストまで引っ張るの、話を作るのが上手いな……(2回目)。あとわがままで怒りっぽい役の大橋くんが新鮮でよかった。

明日からTVerで後半が配信されるのでまたみるよ!たのしみ!

◆4/5追記

後半見た!めちゃめちゃよかった!夢と青春のダイレクトアタック。
後半だと、Episode9「燃やせカラダ」、Episode13「売れるまでは帰れないっ」が好きだった。

「燃やせカラダ」やらずに諦める方が後悔する、いつかあの時もっとやっておけば……と後悔しないように、今全力でやっておきたいという話。主役(ジャニーズJr.の演じる役)が誰かと出会って前を向くというエピソードが多い中、この話はリチャードくんの演じる役が出会った相手をエンパワメントする話で、それは非常にアイドルらしい立ち位置である一方、他の話と比べると彼自身になにか変化があるわけではない(一緒に頑張れる仲間ができたという面はあるが)。「夢が終わりを迎えるいつかの時」を匂わせる話であるあたりも、見終わった後はちょっと苦めの印象。これはこれで嫌いじゃないし結構好きです。間違いなくこういう道もあるので。

「売れるまでは帰れないっ」はもうほんとジャニーズJr.そのものの話。オーディションに落ちても振り回され続けても夢を追いかけてがむしゃらにチャンスを掴もうとする背中に泣きそうになる。冒頭のがむしゃらになりきれずに不完全燃焼でオーディションが終わってしまうところ、思春期の少年っぽさがあって本当に良いですね……。

脚本家で見ると、能塚さん回は個人的に響かなかったけど村上さん内田さん回の打率はすごかった。ゆーてもコンセプトが大好きだから……好きだよこんなん……。結構どの話も泣きながら見た。

そして最終話「ラッキームーン・後編」、待ってた。
なんかキャラクター性は全然違うんだけど、タカシの才能の輝きとかその輝きの儚さ・刹那性とかがすごく大橋和也くんに似合うんだよね……。後編の深刻なシーンでへらへら笑ったりするのとかまじで当て書きか?みたいな感じになる(これ絶対違うんだけどなぜかそう思ってしまう……)
いやマキトの目線だと(作中でマキト自身も才能あるデザイナーであるのは前提として)タカシという眩しいほど溢れる才能が確かにここにあるのを知っている、頼むから生きてくれ、デザインを続けてくれ、絶対にきみは輝けるからいつか日の目を見てくれっていうこのクソデカ感情、これほんと推しに対するオタクのそれと同じなんよ。圧倒的な感情移入。

終わり方がまたこう……決して暗くはないけど別に明るくもないんだよな、明確な希望があるわけではなく、状況が好転したわけでもない、ただ彼らの気持ちだけがある……。ううう、もうだめだ、このドラマで描かれているのは彼らが置かれている状況でありオタクの感情なんだ……助けてくれ……。

どの話もわかりやすく夢が叶うハピエンじゃなくて、ほとんどの子は、まだ叶うかわからないけれどそれでも夢を追い続けることを決めるっていう終わり方なのがほんとに良い……。このストーリーを、「夢の途中」そのものであるジャニーズJr.に演じさせるのはまじでドラマ作るのが上手すぎる(3回目)

これ明らかにジャニーズjr.とジャニオタのためのドラマなんだけど、演者がジャニーズJr.であるという点を最大限に活かした作りなのすごい。Jr.の応援してるおたくが絶対好きな話なんだもん。ジャニーズJr.主演でドラマ作るで!からの素材を120%活かしたものをお出しされてて本当にしびれる、上手すぎる……。
めちゃくちゃ良い作品なんでオタクには見てほしい。ジャニオタじゃなくても夢と青春と少年が好きな人には超絶おすすめできる作品だと思います。いや、わたしも今となってはジャニオタなのでこの言葉にあんまり信頼性はないのだけどね……。